荻窪の学習塾・本多セミナー
大人になって振り返る算数
大人になって振り返る算数
食塩水の濃度3
[式1] 食塩の量÷食塩水の量
[式2] 食塩の量÷水の量
前回までのお約束。食塩水の濃度の定義を[式1]に決め、[式2]にしなかった理由についての考えをまとめましょう。
[式1]は部分を全体で割るので答えは全て0から1の範囲に納まってしまいますね。それで百分率(%)を使って表すのが慣例になったのです。ところが[式2]では水を混ぜないときは分母が0になり、また答えの範囲もムチャですね。また日常的に考えても十中八九とか5打数2安打とか1000枚中3枚の当たりくじがあるとかの方がわかりやすいと思えます。以上のような理由で、食塩と食塩水を比べる方を選んだのでしょう。あくまでも約束事ですが・・・・・・。
[問題] 10%の食塩水200gに食塩を加えて20%の食塩水を作ります。何gの食塩を加えればよいのでしょう。
この問題は数学(方程式)の力を借りれば、前回までの考え方で簡単に解けるのですが、小学生にとっては難問なのですよ。基本をマスターしている子供にとっては良い頭の体操になるのですが、受験対策として無理矢理教え込むとパニックになるかもしれません。この種の問題のテクニックとしては、1)面積図、2)天びん等で解決しますが、今回は塩を加えても水の量は変わらないので、水の量に注目する"逆転の発想"で解いてみましょう。
[解答] 10%の食塩水200gの水の量は
200×0.1=20(g) 200-20=180(g) ・・・水
この水で20%の食塩水を作るので、水180gは全体の80%になるのです。
180÷0.8=225(g) ・・・20%の食塩水の量
225-200=25(g) ・・・(答)